江戸時代、飛騨国の中心地として栄えた飛騨高山。市の中心部を流れる宮川の東部は、当時の面影を残す商家群や寺院群が建ち並び、2つの伝統的建造物保存地域があります。
平成の大合併の一環として2005年に近隣9町村と合併した際、面積2177.61平方キロメートルと、大阪府や香川県よりも大きく、東京都全体にもほぼ匹敵し、日本で最も広い市となりました。奥飛騨温泉郷をはじめとする温泉や雄大な山岳景観などの自然資源に加え、日本遺産に認定された飛騨匠の技が生きる絢爛豪華な屋台で有名な高山祭、古い町並等の歴史文化などの魅力が溢れています。
高山祭(たかやままつり)は毎年開催される、4月14~15日の日枝神社例祭「春の山王祭」と、10月9~10日の櫻山八幡宮例祭「秋の八幡祭」の総称。「屋台」と呼ばれる山車を曳いて市街を巡行することから、京都市の祇園祭、埼玉県秩父市の秩父夜祭と並んで日本三大曳山祭りや日本三大美祭の一つに数えられており、重要有形民俗文化財および重要無形民俗文化財に指定されています。
山車や曳山のことを高山などの中部地方の一部では「屋台」と呼び、祭の屋台は各町内の屋台蔵に保管されています。高山市内を歩くといたる所で正面に大きな扉のついた白壁の土蔵のような建物を見かけ、祭以外の時はこの屋台蔵で保管されています。高山祭屋台は「動く陽明門」とも呼ばれ、国の重要有形民俗文化財であります。
木地師と塗師が受け継いだ伝統的な技法で生み出される国指定伝統的工芸品の飛騨春慶。飛騨春慶(ひだしゅんけい)は、高山市周辺で作られている漆器。飛騨春慶の特徴は、自然な木目が持つ素朴な美しさと、透漆(すきうるし)塗り特有の透きとおった深い色調とが織りなす調和で、盆、花器、重箱、茶道具などの日用品がそろっています。
木目の美しさを活かし、色を付けない飛騨高山を代表する彫刻、国指定伝統的工芸品の一位一刀彫。良材選びに始まり、木取り等6つの工程を経て仕上げた作品は、年月とともに木肌や木目の色艶が増すことが魅力となっています。
森林資源が豊富な飛騨地方は、匠の技と心を受け継ぐ技術者がおり、木材加工業が盛んです。家具生産は約100年前から始められ、日本を代表する洋風家具「飛騨の家具」として広く名を知られており、座り心地の良い椅子をはじめ、テーブル、デスク、収納家具、ベッドなど製品はさまざま。高山市内に多くのメーカーがあり、各社のショールームで製品を見ることができます。
「さるぼぼ」は、飛騨高山など岐阜県飛騨地方で昔から作られる人形。
飛騨弁では、赤ちゃんのことを「ぼぼ」と言い、「さるぼぼ」は「猿の赤ん坊」の意味。近年では、土産として飛騨地方の観光地で多く見られ、「安産」や「良縁」・「子供の成長」・「無病息災」などを願うお守りとされています。
(引用元:https://www.takayama-cb.jp/)